Last Updated on 2021年5月12日 by teioufusui
大地のエネルギーである気は、風によって飛ばされ水に集まる性質があります。そのため、風水においてビルのエントランスは気の入口とされ、重要視されます。この気の入り口のことを「気口(きこう)」とよびます。
気口から入った気は、まずエントランスと同じフロア(多くは1階)の幾何学的中心(図面の重心位置。長方形ならば対角線の交点)に集まるとされています。この中心のことを「太極(たいきょく)」とよびます。太極でいったん集まった気はビル全体に分散していくのですが、これをご理解いただくために、少し難しいですが流体工学のお話をしたいと思います。
スープを例に説明します。鍋の中のスープをお皿によそうとき、底の部分全体に具が沈んでいてなかなかキャッチできず、困ることはありませんか?そんなとき簡単にすくい上げられるようにする方法が、円を描くようにおたまでスープをかき混ぜることです。2、3回大きくかき混ぜるとスープ全体が回転し始め、具が鍋の底中央に集まってきます。
なぜこのような現象が起こるかというと、スープをかき混ぜることで、その中に2つの異なる流れが発生するからです。
スープをかき混ぜるとできる渦、これが1つめの流れ(全体の流れ:主流)です。この渦の回転速度は、鍋の底に近い所では粘性の働きにより遅く(=遠心力が小さい)、底から離れた上層部では、粘性の働きが弱いため速くなります(=遠心力が大きい)。
このような渦のできたスープの中は、遠心力の大きい上層部および外側ほど圧力が強くなっていますが、底部では遠心力が小さく圧力も弱いため、外側の強い圧力に押されて内側にも流れが発生します。この内側の流れが2つめの流れ(二次流れ)です。
主流が平行方向の流れであるのに対し、二次流れは垂直方向の流れで、中央で上昇し上層部で外向きに、側面に沿って下がり、循環することになります。つまり、スープの中の主流によって生じた二次流れに乗って、具が鍋の底中央に集まってくるというわけです。
気の流れは、水の流れととてもよく似ています。そのためビルにおいても、エントランスから入った気は中央に集まり、流れに乗って上昇し循環していくと考えられています。ビルを風水的にみたとき、重要なのはエントランス階の中央部分すなわち太極だということです。
太極を清浄に保っていれば、ビル全体にも良い気が巡って充満することになりますが、逆に不衛生だとビル全体に悪い気が拡がってしまいます。なかでも風水的にNGなのは、ここに排水口が設置してあるケースです。これを風水では「空心殺(くうしんさつ)」と称します。
空心殺の状態ですと、せっかくエントランスから入ってきた気が、太極に達した瞬間に排水口からすべて外に出ていってしまいます。当然、ビル全体に良い気が充満することはありません。このような建物は「漏財宅」といわれ、気抜けのビルは財も抜けると考えられています。
風水における太極は建物全体の象徴であり、気の源泉でもあります。まずは所有されているビルのエントランスのあるフロアの平面図を確認し、幾何学的中央を算出してください。その位置から半径1m内が太極になりますので、ぜひ状態をチェックしてみましょう。なお、どんな大きさのビルでも原理は同じです。
今回、開運の事例を紹介しました。実は経営をダメにする風水のNGポイントもあります。
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