風水建築とは?

 

風水建築の基本となる考え方は、「自然との一体化」です。

 

私たち人間のもつ身体的・精神的機能のうち特に本能的な部分に関しては、科学の発達した現代でもほとんど原始時代から変わっておらず、DNAに刻み込まれ脈々と受け継がれています。心理学・脳科学の分野でも研究が進められていますが、都市で生活する現代人であっても、やはり人間はその影響から逃れることはできず、人間も「自然の一部」であると言えるでしょう。

 

したがって人間が心身とも健康であるためには、本来であれば自然の多い場所でそのエネルギーを感じながら生活するべきなのですが、都市で暮らす現代人には難しいのが現状です。そこで、住居やビルの環境を人工的に整え、自然のエネルギーを感じられるような状態に近づけていくための技術が考案されました。それが風水建築です。

 

 

風水では、自然の基礎=時間と空間であると考えます。時間は一年でいうなら春夏秋冬、一日でいうならば朝昼夕夜にあたり、空間では東西南北にあたります。

時間と空間は、その中で生きる人間にも影響を与えます。人間は、これら自然のエネルギーに無意識のうちに自らを感応させながら生きているのです。

 

自然のエネルギーを感じるという観点から言えば、日の出と共に起きて日没と共に休息することは極めて重要です。また、季節の暑さ寒さを肌で感じることもこれに当たります。同様に、東西南北を知覚することも欠かせません。つまり、時間と空間を通じ、自然のエネルギーを感じることが心身の健康に不可欠というわけです。これを風水では「良い気を受ける」と表現します。

 

 

このことから、風水建築における建物診断のポイントも、いかに時間と空間を本来自然のなかで感じられるような状態にまでもっていくかが重要になります。

 

ここをおろそかにすると、建物で生活・仕事をしている人達の心身に悪影響を及ぼすことになり、ひいては不健康を招きます。また、建物が商業施設であった場合、当然そのような企業や店舗に良いお客さんが入ることはありませんし、テナントの入れ替わりも激しくなり不安定な経営となってしまいます。

 住居にせよ商業施設にせよ、風水的に良いとされる建物は利用者の心身にも良い影響を与えますから、その経営は素晴らしいものになるでしょう。反対に、風水を無視した建物は利用者の心身に悪影響を与え、最終的には破綻し自分で自分の首を絞めることにもつながりかねません。

 

では、風水的に良いとされる建物には具体的に何が必要なのでしょうか。以下に基本的な手法をお伝えします。

 

風水における自然環境の縮図であり、あらゆる基準になるのが『四神相応(しじんそうおう)』という考え方です。『四神』とは、四方を守る神獣(しんじゅう)のことです。今でいう四方を象徴するゆるキャラのようなもの、シンボルと思っていただけるとわかり易いかと思います。

北は「玄武(げんぶ)」と称し、時間でいうと夜・季節でいうと冬・陰陽五行説でいうと水を象徴しています。同様に西は「白虎(びゃっこ)」と称し夕・秋・金を、南は「朱雀(すじゃく)」と称し昼・夏・火を、東は「青龍(せいりゅう)」と称し朝・春・木を司ります。

 

 

風水を体系化した中国は北半球に位置しているため、そこで自然と共存するには地形が重要な意味をもちます。

北からは冷たい北風が吹くため、北風を防ぐ高い山や丘が必要です。この高い山や丘を「玄武」とよびます。故事に記されている『北に玄武あり』とは、北の高い山や丘のことです。そして、西からは絶えず偏西風が吹き、また夏には厳しい西日が照り付けます。これらを防ぐために必要な小高い山や丘、これが「白虎」です。次に南ですが、南からの採光は重要ですので、地理的に低く開放的であることが求められます。これが「朱雀」です。最後に東ですが、朝日を浴びられるような地理的な低さに加え、万物を育むために必要な豊富な水、清々しい雰囲気が求められます。したがって、大きすぎない山と丘と川が必要になります。

 

 

これら四方の自然環境が整った場所が風水的に最高とされ、『四神相応』とよばれています。日本でも外国でも、経済活動が活発で豊かな都市は、四神相応の場所に位置しています。このような場所に建物を建てられれば一番良いのですが、残念ながらそう多くはありません。特に狭い島国である日本では限界がありますし、ビルが建ち並ぶ都会ではまず不可能と言って良いでしょう。

 

そこで風水建築では、建物内や部屋を地上に見立て、東西南北を当てはめ環境を整えていくことで四神相応を人工的に作り出していきます。

   
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